「キャバ嬢&ホスト御用達の写真スタジオ」で自分の写真を修正してもらった結果…

インスタグラムを眺めていると、最近の女子たちのアゴはメッチャ尖っている気がする。突き刺さりそうなほど鋭い角度、もしかして栄養の問題なのだろうか……? 昭和生まれの丸顔持ちとしては羨ましい反面、ちょっと心配にもなる。

ところで先日、約10年ぶりにプリクラを撮ってみて驚いた。シートに写る自分の顔が完全に別人だったからである。アゴが尖って異様に目が大きく、あるはずもない涙袋に通った鼻筋! 別人だから言っちゃうけど、コレ美人の部類なんじゃないか!?

これはとんでもない奇跡の1枚……ではなくて、残念ながら修正というやつだ。最近のプリクラ機は勝手に気を利かせて顔や体に修正を加えてくれるのである。しかし、さすがに別人レベルとはいかがなものだろう? 勝手に修正されたうえに詐欺呼ばわりされては心外だ。どうせならもうちょっと分かりにくく修正してくれればいいものを……!

こうなると「ほどよい修正画像」がほしくなり、写真スタジオに予約を入れてみた。

・深夜1時の歌舞伎町

早い時間はしばらく予約がいっぱいとのことで、終電で歌舞伎町へ向かう。マンションの1室にある写真スタジオその名も『TONOtoHIME(殿と姫)』は、ホストやキャバ嬢の皆さん御用達で、なんと24時間営業だ。「明け方から団体の予約が入ってる」とかいう会話が聞こえるのは土地柄である。

ご夫婦で営むスタジオは、夫のGONZOさんが撮影、妻のANNAさんがメイク担当。「見知らぬ歌舞伎町のマンション」というシチュエーションと、ANNAさんのド派手なピンクヘアーに私は正直少しビビっていた

しかしそんな緊張を解いてくれたのはANNAさんの気さくな人柄で、気を許しすぎた私は最終的に悩み相談までしてしまったほどだ。彼女を慕って訪れる客が多いというのもよく分かる。

この日私は気合が入って着物で来てしまったため、ANNAさんのメイクを体験することができず心残りであった。ホスト風やキャバ嬢風の写真が撮りたい人には、メイク付きのパックプランが人気とのことだ。

・約200枚から1枚に厳選

撮影が始まると、ご夫婦が2人がかりで「綺麗よ!」「上手!」「今の表情サイコー!」などとホメちぎってくれる。モデル気取りでポーズを取りまくること10分。

約200枚もの画像の中から消去法で7枚に絞られたものの、どれが1番なのか正直全く分からん……

ここはもうGONZOさんの男性目線に一任してみた結果……

この1枚に決定!

GONZOさんいわく「男はいつの時代も “クチ半開き” と “流し目” に弱いもの」だそう…………そうなんですか?

・修正サドンデスに突入

さあ、ここからが本番である。このさい元画像の出来はあまり関係ないのだ。「別人にならない程度でガッツリ修正しちゃってください」とお願いし、作業過程を横で拝見させてもらう。私の場合、修正すべき点は「顔の丸さ」「頭のデカさ」「シワ」とのことで、そこを重点的にやってもらうことに。

みるみるシワが消えてゆき感動……。地道な作業が続く。

20分ほど修正してもらった画像がこちらだ。

ムムム! これは、けっこう良くなったんじゃないか!?

まず全体的に明るくなり、ムダ毛やシワやシミが消えた。さらに指と首を細くし、後ろの髪の毛を大きくすることで頭を小さく見せるなど、気づかない程度の細かい修正がされている。

けっこう良くなったにもかかわらず、誰が見てもこれはまだ私である。修正の疑惑というよりは「ずいぶんうまく撮れたね」程度なのではないだろうか……多分。

・「ほどよさ」とは?

テンションが上がったので「もうちょっとやって」とお願いしてみた。禁断のアゴと目にメスが入ってゆく。

クリックひとつで目が大きくなっていく様は、もはやゲームのキャラ作成そのものだ。輪郭をいじっていると、気づけば指が不自然な太さになっていてそちらも修正。空間を歪ませた代償は大きい。

そして、スタジオ入りしてすでに2時間超。完成した最終形態が……これだ!

いる! こういう人いる!!

「変だ」と思った人はいったん目を閉じ、元の画像を忘れてみてほしい。この画像のみを見てみると、この顔の人が存在していることは自体は不思議じゃない気がしてくる。

しかし、いくらこの人が地球上のどこかに存在していると立証されたところで、私と赤の他人であることに変わりはない。誰がどう見ても別人なのでアウトだ。これはやりすぎということで、第一段階の修正に戻してもらった。何事もほどほどが大事である。

・コンセプトは「なりたい自分になれる城」

この店のウリは、他店で類を見ない「修正時間無制限」なのである。こだわりがある人だとミリ単位の指示が入り、作業時間が5時間を超えることもあるのだそう。撮影が1枚5300円〜なので、それじゃ赤字じゃないですかと尋ねれば「応援したくてやっているから」とのことだった。

客は8割が水商売だが、証明写真やアイコン用画像の依頼も多い。お見合い用の写真を撮りに来た男性が、実物より50キロほど痩せた修正画像を喜んで持って帰ったなどと聞くと「会ってガッカリされたら意味ないんじゃないの?」と思ってしまいがちだ。しかし、画像の時点でガッカリされたら会う機会すら失うのだと考えると、修正も悪とは言えないと思えてくる。

「売れないホストやホステスを化けさせてあげたい」というご夫婦は、ライターの私にも「こういう記事を書いたら面白いんじゃない?」等と親身にアドバイスしてくれてジーンとしてしまった。修正とは単にごまかしではなく、「なりたい自分」を見つけることなのかもしれない。

・今回ご紹介したお店の詳細データ

店名 TONOtoHIME
住所 東京都新宿区歌舞伎町2-2-21
時間 24時間営業

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24